泥みたいな人間の救済

雨の日しかこない日記

まだ見ぬカイブツ。お前は現れるのか?

僕は「オードリーのオールナイトニッポン」が最も好きな番組であり、生きがいであった。

 

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毎週土曜日25:00〜27:00 絶賛放送中!

 

この番組は僕が中学生の頃に始まり、現在まで毎週楽しみに聴いている。

 

オードリーが世に出て来たのは、2008年の「おもしろ荘」であり、その年のM1で準優勝し、一気にスターへと駆け上がった。

 

そして、ほぼ同時期にオールナイトニッポンは始まった。つまり、オードリーのテレビへの挑戦と共に本音が語られる場として存在し続けていた。

 

オードリーは下積み期間が長く、テレビに出るまでも9年程かかったと言っていた。

若林さんの売れるまでの苦悩、売れてからの理想と現実との苦悩の話など面白く、笑いながらも思春期の自分の心には響くものがあった。

 

このラジオを聴いているうちに、僕の尊敬する人物として若林さんが君臨するようになり、「芸人」になりたいと思うようにもなった。

 

高校卒業後の進路として「芸人」を視野に入れたが、自分にはそんな勇気もなく、とりあえず大学進学を選んだ。

 

「オードリーさんも大卒だし、大学はいってもいいよね」と自分を肯定しながら。

 

ただ、そんな気持ちでは勉強に身も入らず、大学にはどこにも受からず浪人することとなる。

因みに、一浪で大学に合格する。

 

浪人に関しては、

南海キャンディーズ山ちゃんも一浪したしいいよね」と自分を肯定した。

この浪人期間で僕はラジオに没頭し、あのハガキ職人が活躍するようになる。

 

ラジオネーム 「ツチヤタカユキ」である。

 

このハガキ職人はリトルトゥースなら誰もが知っている存在であり、作家見習いとしてラジオ、単独ライブと活躍していった。

 

そのツチヤタカユキの青春小説を買った。

 

笑いのカイブツ

笑いのカイブツ

 

 

衝撃しかなかった。

「こんな人間が存在するのか。芸人を目指すもの、笑いを職業とする人間は皆こうなのか?」心がモヤモヤした。言葉に表せない。

 

読み終わった後、何故か水を3杯がぶ飲みし、ベランダに出た。寒すぎて、すぐ部屋にUターンし、腕立て伏せ8回してやっと落ち着いた。

ちょっと汗をかき、後悔したことも含めて。

 

 

高一のときから狂ったように投稿を始め、そのまま高校を卒業するまで、ケータイ大喜利に何百個もボケを送ったが、一度も読まれる事はなかった。

読まれないという敗北を味わうたびに、僕は少しでも正解に近づくために、様々なスタイルを次から次へと試していった。

最も効果的だったのが、キッチンタイマーでカウントをとりながらボケを出しまくるというスタイルで、最初は1分1個ペースだったボケる速度が、どんどん上がっていくのを肌で感じた。

次第に僕は、一日に出すボケのノルマを、ボケるスピードの向上と共にどんどん増やしていき、100個だったノルマを、500個に増やした。

ツチヤタカユキ「笑いのカイブツ」より引用

 

正直言ってヤバイ。高校時代は誰とも話さず、1人で大喜利に答えまくっていたという生活に驚きしかなかった。

 

「おい!ツチヤタカユキ!人生全てを笑いに賭けた男が売れなければ、僕なんていう人間が成功するわけないじゃないか!!」

 

という気持ちと同時に、自分の好きな「笑い」に一直線になれ、自分の設定したゴールのみに突き進む姿に憧れもした。

 

そんな男、自分のゴールに悩み、絶対に成功させようという意思を持った男に憧れて、自分は芸人を目指そうとしていた。

 

「そんな生き方は自分には出来るのか?」

 

ツチヤタカユキは人間関係不得意であり、所謂コミュ障というものである。

僕もそちら側の人間だ。こういう人間は行動力がない人が多い。

 

しかし、ツチヤタカユキは違う。自分の設定したゴールにたどり着くために、一切妥協せず、そのための行動力は半端ない。

 

次第にアルバイトという行為は、時間の空費だと感じるようになった。すべての時間を大喜利に費やしたいと思うようになり、そのままバイトを辞め、僕は実家にいながら無職になった。

ツチヤタカユキ「笑いのカイブツ」より引用

 

大喜利のために無職になる。その行動に全く迷いがない。

 

ただ、1つショックを受けたシーンがあった。

笑いの世界でも、上の人の懐に入っていくことが大切だと、自分の笑いのみだけでなく、上の者に好かれることが大切だということ。

 

「それだったら、一般社会となんら変わらないじゃないか!そんな上下関係、年功序列にウンザリした人間が、固まった世界だと信じていたのに!」と感じた。

 

「やっぱり年上に好かれる人がどの業界でも活躍するのかなぁ」と思ったが、自分の「実力」1つでのし上がっていく男「ツチヤタカユキ」を僕は応援していくと決めた。

 

その「笑い」に突き進む熱に、僕の心は焦げ去ったのだから。